季節を問わずデカール印刷

 MDプリンターの印刷可能温度環境は専用紙を使用する場合において15℃〜30℃で保証されている。しかし、専用紙ではない熱転写用デカール紙を使用して印刷を行う場合には室温が25℃を越えるとデカール印刷不良が多発する。これでは約半年に渡ってオリジナルデカールを使った作品作りができない事になる

 2007年度伊勢フライングビーナス作品展のテーマは”水物”。10月に行われる展示会に出すには涼しくなるのを待っていては完成させる事ができるのか?という問題がある。男にはダメだと分かっていても、やらなければならないときがある!とばかりに室温29度の温室で印刷を試みたが、あっけなく剥がれが多発してしまった。
 ここで、特色オレンジインクの定着実験に使ったプライマー加工を応用できないかとひらめいた!

 慎重にデーターをインクカセット単位で送り出すことで印刷に時間をかける事で少しでも用紙の温度低下を期待しつつ印刷したのが上の画像。印刷試験なので、ダメ元で最終工程の光沢仕上げも行った。この写真からは分からないが、光沢仕上げはムラがありすぎ、さけた方が賢明なようだ。ステンシルに約0.2mmサイズの小さな文字で書かれたksinの住所もルーペを使えば読める精度が確保できている。手間はかかるが、いままで季節に制限されていたデカール作りからは解放されそうだ。

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