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熱せられたMDインクがデカール紙に定着するためにはMDインクはベースフィルム側よりもデカール紙への定着力が強くなくてはならない。紙の様に微細な凸凹が表面に無いデカール紙に定着力を向上させるにはどうすれば良いのか? ヒントはフラッシュインクの印刷工程にあると考えた。フラッシュインクは単体では紙にもデカール紙にも定着しないが、下地処理を施すことで印刷が可能になる。この場合は下地処理に使われたMDインクが用紙表面を平滑にすると共にプライマーとしての役割を果たしていると考えられる。 以前の実験で特色ホワイトを下地として定着を試みたが、残念ながらデカール紙には定着しない事がわかっている。 ここでは、MD−5500に昇華印刷キットのハードウェアーキーを装着し、自作した特色オレンジカセットにフォトカラーインクカセットのバーコードを貼ることでインクにかかる発熱量を上げて使用している。 |
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印刷時の発熱量を上げただけではデカール紙にはインクは定着しないのがわかる。右下の一部が定着しているのは訳あり。 |
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デカール紙表面にプライマー処理を施し、フォトカラーモードで印刷したところ、インクリボンが引きちぎれてしまった。しわしわの物が張り付いて見えるのはインクリボンの破片。実際には上から下へ印刷した物を90度時計回りに回転させた画像なので、実際の印刷は右端から開始しており、右端は良くインクが定着している。 |
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MDインクカセットのテープパスを変更しプライマー処理の有効性を確認できた画像である。画像中央部より左側でかすれが観測されるのは、この部分にプライマー処理がされていないため。この印刷実験結果だけでは下地に特色ホワイトが印刷していないためデカールとして使用するためには使用が制限されることになる。さらに可能性を探るため、インクカセットとデカール紙を無駄にする勇気はあるのか?・・・ksin・・・。 |