震電塗装の謎

 現在販売されている震電についての書籍ならびに模型では機体フラップの黄色い警戒線が右側にあったとされている。また、それらの書籍は世界の傑作機1982年版No.129震電特集号を参考文献として使用していることが記されている。

 震電館さんのページで提供されている写真では機体左がわにラインがあり、世界の傑作機の写真には右側とされている。ともに震電の初試験飛行を記録した唯一の8mmフィルムが情報源となっており世界の傑作機にもこの8mmフィルムからの拡大印刷である旨か記されている。

 公開されている8mm映像では機体は画面右から左に押し出されていく震電の左側面が写っておりパイロットが左から搭乗している様子が記録されていてこのことから警戒線は左側にあるのが自然だと思われるのだが、皆さんはどう思われますか? 

 機体右側とされる世界の傑作機の掲載写真。

 震電館さんのページで公開されている写真を上の写真と大きさをそろえてからMACで裏返した写真。

 上の2枚を重ねてみると同一の写真であることがわかる。

 震電館さんの公開している写真では前後のコマもあり、裏焼きする可能性は低いが、前後の情報を失った8mmのこの一こまから裏表を判断することは困難とおもわれる。また、パイロット搭乗のコマも8mmからの拡大時に反転してしまっているのでは?。

 震電の写真で最も鮮明なのは酣燈社刊精密図面を読む【2】のp81に掲載された物。他誌でも見られるアングルの写真ではあるが、画像処理と印刷技術の向上から他の写真では判読出来ない脚収納庫上面のノルナが読みとれる。脚位置指示棒が斜めに出ているのもわかる。

 カラー写真はモデルアート2004年1月号の他に学習研究社刊 陸海軍試作戦闘機p71から多数載せられているのが参考になる。

けいしんのぺーじ