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TMCCの水谷氏によるページ合成を駆使したドットのないカラーサンプル表の画像を紹介させていただきます。 この画像を見て”な〜んだ!こんなの簡単じゃないの?”と思ったあなた。自分のドットに気づいていませんね?”うわ〜!これを作るのはたいへんだなぁ〜”と思ったあなたはよく分かっていらっしゃる。2004年静岡ホビーショー会場に於いて水谷氏から印刷されたカラーサンプル表を見せられたksin”えっ!こんなの僕には無理!データー作るのも大変だけど、印刷中に絶対失敗する自信大あり!お願いこの表下さい”と、心の中で叫びました。親切にも水谷氏は後日新たに印刷し直した物を送ってくださいましたので、ここで紹介させていただきます。なお、解説文は水谷氏による原文のままです。 |
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MD−5500による単色重ね印刷の出力見本 解説1 製作動機 MD−5500でドットの見えないデカールを作成する場合、黒単色データをプリンタドライバの特色指定とページ合成機能を使用して、色の濃淡や混色を表現可能ですが印刷してみなければどんな色になるか判りません。 印刷前にそれが判るなら印刷手順を確定することができるので、印刷失敗の確率低下と印刷後のイメージを予想することが容易になるのではないかと考え。出力見本を作成してみました。 ページ合成単色重ね刷り 最上段よりシアン、特色ブルー、マゼンダ、特色レッド、イエロー、特色グリーンの順番で印刷、左から右に1回ずつページ合成機能を使用して重ね刷りをしています。 MDプリンターもインクジェットプリンターと同じく、白い紙の上に3色分解でカラー印刷を実現することを前提にしているため、重ね刷りすることによって下地の白が見えなくなると濃淡の判別ができなくなると推察されます。 実際にデカール印刷に使用する場合は、特色ホワイトを印刷した上に×1〜×4の範囲で印刷すると良いでしょう。 特色ホワイト重ね刷り けいしんさんの自作グレーインクリボンカセットによる階調表現をヒントに特色ホワイトの重ね刷りによって淡色を作ることができないか実験したものです。 特色ホワイトは透明度が低いため、各色とも淡色と言うよりくすんだ感じになりました。さらにホワイト自体にわずかなムラが見られます。プリンターの印字ヘッドの重なる部分(ベタ印刷時に出る縞模様)が目立つので大面積の印刷には向きません。さらに黒は他の色が乗りにくいためか×1ではホワイトのはがれが見られます。×2以降ではホワイトの上に重ね刷りする格好になるためか、目立つはがれは見られません。 実際に使用する場合は、印字ヘッド縦方向の幅(約10mm)内に印刷できるようにレイアウトする必要があるでしょう。 |
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MD−5500による単色重ね印刷の出力見本 解説2 単色重ね刷り混色 単色重ね刷りに別の色を重ねた場合の出力見本です。 1シアン の順番で重ね刷りしています。単色のみでは出ない色はこの方法で印刷します。特色ブルーはマゼンダ、イエローの上に乗りずらく、はがれが見られます。実際に印刷する場合は先に光沢仕上げを印刷してはがれを防止しましょう。特色グリーンを印刷するほとんどグリーン系の色になっていしまいます。これはシアン+イエローがグリーンであることからわかるとうり、色自体の隠ぺい力が強いためではないかと思います。 単色重ね刷りで4回以上の重ね刷りで階調差が判りずらい、と書きましたがこちらの出力見本でも同じように合計4回以上の重ね刷りをすると階調差が判りずらくなります。 単色重ね刷り混色順序 単色重ね刷り混色の印刷順序を表にしたものです。矢印始点の表記がインクの名前と重ね刷りをした回数をあらわし、交差した部分の上下が印刷した順序をあらわします。 例として表の左端最上部の矢印交差部分の色はシアンの1回刷りの上に特色グリーンの1回刷り、同じく左端最下部の矢印交差部分の色はシアンの3回刷りの上にマゼンダの2回刷りで表現しています。 混色順序はMDプリンターが通常印刷をする場合の印刷順序を参考にしました。逆の順序で印刷すると違う色が出るかもしれません。さらに下になる色にの上に特色ホワイトを印刷することで色のバリエーションを増やすことも可能だとおもいます。(まだ試していません) |
注: 水谷氏は特色ホワイト重ね刷りによる淡色表現において次のステップへの布石として、あえて特色ホワイトを上刷りしてみえます。単に淡色表現をする場合はベースドホワイトを使用することで剥がれやムラは回避できます。 水谷氏の製作されたカラーサンプル表からはMDプリンターの持つカラー表現力の潜在能力の高さが見て取れます。画面からは判読が難しいのですが、実際に印刷されたサンプルの発色はksinの予想(たいしたことない)をはるかに越える物です。 |